6/19(日)、梅雨と真夏のせめぎ合いの中、関東圏でも有数の老舗サーキット大井松田カートランドさん(以下、大井松田)で行われる「レンタルフェスタ」に参加してきました。
今回の舞台は老舗サーキットということで、少しゴーカートの歴史等に触れますね。
ゴーカートというのは、昔は個人所有のものをサーキットに持ち込んで走るのがメインでした。
レジャーというよりはモータースポーツの登竜門として、本気でレーサーを目指す人達のためのステップアップカテゴリーという意味合いが強かったと聞いています。
大井松田はそういった時代から本格的なゴーカートサーキットとして運営され、数々の有名ドライバーを輩出している名門サーキットです。
最近はレンタルのゴーカートブームもあり、老舗である大井松田でも「レンタルカートの祭典」と位置づけて、年間7戦の耐久レースシリーズを開催しています。
レンタルフェスタは3レース構成になっていて、
・40分耐久のファミ耐40(以下、F40)
・60分耐久のファミ耐60(以下、F60)
・2時間耐久の2耐(以下、2耐)
この3つが同日開催というボリューム満点のイベントです。今回は私が参戦したF60を中心にレポートさせて頂きます!
ファミ耐=ファミリー耐久!?
"超"お手軽耐久!ということで、コンセプトとしては家族連れでも参加できるようなお手軽感のある初心者向けの耐久レースを標榜しています。
で・す・が、F60はチャンピオンシップ制が導入されていることもあり、参加者のレベルは結構高いです(汗)昨今のミニ耐久(概ね2時間未満の耐久レース)人気もあり、今回も元F3レーサーがガチで参加したりして、エントリーはフルグリッドの16台でした!
申し込みはレース日1ヶ月前からなのですが、受付開始3日後に電話したら既に満員御礼という盛況ぶりです。
レギュレーション
F60のレギュレーションは至ってシンプルで、以下の2点以外で特筆すべきものは殆どありません。
・ピットイン回数は全チーム3回
・優勝チームは次戦以降、4位以下になるまでピットイン回数+1回
ただ、独特のペナルティ基準としてKYペナルティなるものが存在します。
これは、圧倒的にレースをリードしてしまうチームが出てきた場合、レース展開を面白くするために、競技長判断でペナルティストップを科すというものです。"空気"が"読めない"ペナルティということでKYペナルティ(笑)
私は今まで4戦参加して一度も見たことないのですが、これを喰らうと優勝戦線からは脱落間違い無しなので、勝つつもりなら回避する作戦が必要になります。
また、KYペナルティ以外のペナルティも結構厳格に取ります。特によく取られるペナルティは、
・ピットレーン出入口でのパイロンタッチ
・ピットレーンスピード違反
・ピットアウト時のイエローラインカット
等です。これを2回(F40は3回、2耐は1回)やってしまうと、強制ピットストップ+30秒停車&スタッフさんからのお説教が待っています(笑)大井松田では、ゴーカートは安全に走ることが最優先と考えていて、これらの安全に関わる違反には厳しいのです。老舗サーキットらしいペナルティ基準ですね。
使用するマシンは?
大井松田にもN35はありますが、F60で使用するのは、一般的なゴーカート場のマシンよりも軽量でよりレーシーなヤマハのTIAというシャシーに、これまたヤマハのMZ200という200ccエンジンです。

ヤマハ TIA + MZ200 昨年導入したばかりの新パッケージです。
よくあるN35よりも30kgくらい軽いため、操作は軽快でハンドルも軽いのですが、その分ドリフトやスピンしやすく、接触すると壊れやすい構造で、初心者よりも中級者向けのマシンと言えます。
また、大井松田ではリミッター付きのTIAマシンをT4Lと呼んでおり、リミッター無しをT4Fと区別しています。(LimiterとFullPowerの略かな)F60で使うのはT4Lの方。T4Fと比べると1.5秒程タイムが遅くなるそうです。
同じようにN35もN35FとN35Lで区別されていて、F40ではN35Lが使われます。初心者には最も扱いやすいマシンです。
ちなみに、最高峰クラスの2耐になると、T4Fが使われます。
レースの流れ
F60は重量ハンデや予選もないので、レースの流れもシンプルそのもの。
・参加受付
・ドライバーズブリーフィング
・マシン抽選
・グリッド抽選
・練習走行(15分)
・決勝60分レース
・決勝後パレードラップ
・表彰式&シャンパンファイト
グリッド抽選はなかなか盛り上がります。基本的に日頃の行い(?)が反映されるくじ引きです(笑)

ブリーフィング兼くじ引きの様子。

スタッフさんも沢山。レース中はコースの随所でサポートしてくれます。
今回、私のチームは「タクシー通勤部」と「うさぎちゃんレーシング」の2チーム体制でしたが、タクシー通勤部は10番グリッド、うさぎちゃんレーシングは見事最後尾の16番グリッドと日頃の行い(?)の悪さを発揮(泣)
練習走行開始!直前からの雨…(泣)
練習走行開始前から、ポツポツと雨が降り始めました。ゴーカートのレースは、基本的に雨でも雨用タイヤを使うことは稀で、溝なしのスリックタイヤのままレースをやります!
ですが、あまりに状況が危険となれば、中断や中止ということもあります。その辺りの判断は施設側に委ねられていますので、参加者側は走りに集中です!

練習走行スタート!
大井松田はコース路面が特徴的で、雨になるとものすご~く滑ることもあり、できればドライで走りたかったのですが、条件は全チーム一緒ですからね。覚悟を決めて走るしかありません。

雨の得意なチームメイトを持って良かった~
練習走行は15分間ですが、降り始めた雨はすぐに止み、後半は完全にドライになっていました。
スタート前から雨となった決勝レース
スタート前からまた雨がポツポツ・・・(泣)私のチーム「タクシー通勤部」は雨の得意なチームメイトにスタートを任せ、私は見守る側に回りました。
16台フルグリッドでのスタートは大きな混乱なく、1コーナー、2コーナーと過ぎて行きます!

16台でのレーススタート!
なんと私のチームメイトは3コーナーまでに10番手から4番手までポジションアップ!!バトルマスターの異名を取るチームメイトに任せて本当に良かったです(笑)
「タクシー通勤部」は前回優勝のオミヤゲとして+1回のピットストップハンデがありました。色々作戦を考えた結果、ここは早めにピット消化するのが得策ということで、スタート5分で3回のストップを済ませ、トップから2周遅れで序盤を走行します。
雨は本降りにはならず、路面ちょい濡れから乾いていくという、いわゆるダンプ状態。コース上では各所でスピンやコースオフが発生!雨の大井松田は難攻不落と呼ばれるとか。
私と一緒にエントリーしたもう1チームの「うさぎちゃんレーシング」は雨に足元をすくわれて何度かアクシデントに見舞われましたが、タクシー通勤部はチームメイトが快調に飛ばして徐々に順位を上げて行きます!

この後3台巻き込んだクラッシュが・・・
残り30分を切ったところで最後のピットストップ。私に交代です。

ピットストップではエンジンを一旦停止して、掛け直します
完全ドライ路面でトップとスリップ合戦!
残り15分くらいで電光掲示板に表示される5番手まで順位を回復!他チームのピットストップもあり、さらに順位を上げて2番手まで来ました!

よく見ると内側と外側で舗装が違うんですね。これが大井松田の難しさの一つになっています。

Go!KART!レポーターのコジコジさんもチーム内ベストを刻んで激走!
トップを走るはライバル2号車。バックストレート1本分くらい先にいるのを見つけ、猛追モードです!ようやく追いついたところで、周回遅れのマシンに引っかかったりしましたが、最後はスリップストリームからのブレーキング勝負でなんとかオーバーテイク!!
余談ですが、ゴーカート程度の速度域でスリップストリームなんか効果あるのか?と思われる方もいるかもしれませんが、ゴーカートは体がむき出し、マシンも空気抵抗がとても大きな構造のため、意外なほど効果があるのです。
事実、今回ベストラップを出したのはこのスリップストリームバトルをしていた時で、単独走行時よりも0.2秒近く速く、相手のスリップに入った瞬間はエンジン回転数が露骨に上がるのを感じられるので、効果は確実にあると言えます。
こういうスリップストリームバトルを楽しめるのも、ゴーカートレースの醍醐味ですね。
チェッカー!そして…Oh!勘違い…(汗)
と、1位奪還でいい気分になって走っていたのですが、いつまで経っても電光掲示板の順位表示が入れ替わりません・・・順位表示はそのままレース終了。チェッカーフラッグが振られたのは2号車・・・???
・・・なんと、必死になって抜いたのですが、1周遅れにされていたのを取り戻しただけで、私のチームは2位のままでした(汗)
ああ勘違い(笑)
パレードラップ
レース終了後、優勝チームがチェッカーフラッグを持ってウィニング・ランをするのが大井松田レンタルフェスタの楽しみの一つです。

戦士達の帰還を皆でお迎え。優勝チームはチェッカーフラッグを掲げてのウィニング・ラン!
最終コーナー付近に、優勝チームを先頭に並び、参加者みんなとハイタッチをした後、チェッカーフラッグを掲げての1周パレードラップ!
前回優勝時に私も経験させてもらいましたが、本当に最高の気分に浸れる演出です!
是非他のゴーカート施設様でも導入をご検討頂きたいです(笑)

ハイタッチ!
ちなみに、前回第2戦のパレードラップ中、ハイタッチに気を取られてコース外に脱輪して失笑を買ったのはここだけの話(爆)
シャンパンファイトが出来る表彰式!
レンタルフェスタでは、各レース毎に表彰式を開催してくれます。
優勝は1人で60分走り切った「haruharu」さん
準優勝は私の「タクシー通勤部」
3位は元F3レーサーを擁する「ARK #1」さん
なんと、シャンパンファイトでは本物のシャンパンを使います!車で来ている人はゴックンしちゃだめですよ(笑)
準優勝の賞典として
・DUNLOPのチャンピオンキャップ
・DUNLOPのTシャツ
・大井松田のロゴ入りヘルメットバイザーステッカー
・ティッシュBOX1箱
・練習走行1,000円無料券2枚
・銀メダル入の準優勝盾
以上を頂きました~。豪華景品!

準優勝/優勝盾はこんな感じです。これは第1戦で獲得した時のもの。
他に、飛賞として、5位、10位、15位のチームにも賞典の授与が行われました。
入門レースとして最適!
今回私が参加したF60は、マシンが中級者向けでちょっとだけ敷居が高いレースでしたが、F40であれば一般的なN35ですし、時間も短く、初心者入門レースとしては最適です!
レース運営もしっかりしていますので、これからゴーカートドライバーとして腕を上げていきたいけれど、どんなレースに出ようか迷っているという方がいたら、是非とも最初はこの大井松田のF40に参加してみてください。
そこからステップアップしていくのもいいですし、レースをきっかけにして友達が増えるのも楽しいですよ~♪
今回参加のイベント情報
イベント名 :RENTAL FESTA
2016 第3戦 ファミ耐60クラス
開催場所 :大井松田カートランド
参加費用 :13,000円/1チーム(F40)
:16,000円/1チーム(F60)
:32,000円/1チーム(2耐)
参加しやすさ :★★★★★(F40)
:★★★★☆(F60)
:★★★☆☆(2耐)
イベント満足度:★★★★★