オーバーテイクとは、コース上で前走車を追い越す行為のことを指す。パッシングと呼ぶこともある。
カートのみならず、モータースポーツ全般においてレース中の最もエキサイティングなシーンであり、ドライバーの腕の見せ所となる。
基本的にレース中はいつでもオーバーテイクしてよいが、イエローフラッグ区間ではオーバーテイク禁止というのが世界共通のルールとなっている。
レンタルカートのサーキットでは、コース幅が狭かったり、見通しが極端に悪かったりする危険な箇所に、『常時オーバーテイク禁止区間』を設けることもある。
また、オーバーテイクには、必ずリスクが伴う。オーバーテイクする相手と接触すればお互いのレースを台無しにするだけでなく、ペナルティを課されるケースや、最悪の場合怪我や車両の修理費等、代償が大きくつくこともある。
オーバーテイクの方法は多岐にわたるが、最も基本となるのは、ストレートで相手の横に並び、ブレーキのタイミングを相手よりも遅らせて、コーナーのイン側のポジションを相手より先に押さえる方法である。但し、この方法では通常の走行よりも減速する必要があり、またコーナーの出口でラインが苦しくなって加速が鈍るため、クロスラインで抜き返されてしまうケースもある。
カートレースにおいては、殆どの車両にバックミラーが装備されておらず、コーナー外側からオーバーテイクを仕掛けると、完全に相手の死角となり、コーナー出口で接触する危険性が高くなる。そのため、外側からのオーバーテイクを禁止行為としているレースも存在する。
様々なリスクや制約のあるオーバーテイクであるが、その分苦労して成功させたオーバーテイクは、ドライバーは勿論のこと、観衆も盛り上がる。モータースポーツの華、それがオーバーテイクである。