N-35とは、BirelART社が製造販売するレンタルカート専用のシャーシのこと。
かっては、1992年に発売されたヤマハ社のFK-9や、無限社のPKシリーズなどが、有名であった。
N-35Xは、BirelART社の前身Birel社から2005年に発売され、たくさんのレンタルカートサーキットに普及していった。しかしながらここ最近は、メンテナンス性などの理由から、SODIカートの導入が増えてきている。木更津サーキットやFドリーム平塚などはN-35XからSODIに切り替わった。
N-35Xは、旧来のレンタルカートシャーシやレーシングカートやスポーツカートなどの純スポーツ用のシャーシに比べると重たいが、他社のレンタルカートSODIカートに比べると軽量であり、レーシングカートに近い動きをする。そのためにベテラン勢には人気が高い。
N-35Xの製造会社
N-35Xを開発したのBirel社であったが、2014年にART社と合併したBirelART社が現在は製造販売している。
Birel社は、ヨーロッパでカートが人気になってきた50年代の終わりに、イタリアのミラン近郊のLissoneで自動車と自動二輪車のショップを経営していたUmberto Salaが、趣味のためにカート用シャーシを作りはじめたことからはじまった。Birelという名前は、彼のファミリーニックネームからつけられ、"e"にアクセントをつける。
ちなみに最初のBirelのシャーシをドライブしてレースに出場したのは、彼の兄弟であるGuido Salaであった。
BirelART社の歴史: http://birelart.com/about/history
アクセルリリース機能
大多数のN-35Xには、アクセルとブレーキを同時に踏んでしまわないようアクセルリリース機能が搭載されている。アクセルとブレーキを同時に踏むことで、低速コーナーで回転数を維持することはできるが、クラッチなどに負担をかけるため、レンタルカートで同時踏みをすることはご法度である。
N35ラインナップ
Birel社のWebサイト(http://www.birelartrental.com)によると、N35にはいくつかのラインナップがある。
N-35 XR RS

N-35 XR RS (C) BirelART
完全にカバーで覆われていた重量級モデルで重量は150kg。シート位置は80mm、ペダル位置は30mmの範囲で調整できる。重量級で燃費が悪いからか、燃料タンクは他のモデルと異なり12L。
公式サイト: http://www.birelartrental.com/projects/n-35-rs/
N-35 XR GT

N-35 XR GT (C) BirelART
ハーフカバータイプ。XR RSと比較すると、エンジン前面、シートのサイド、給油タンクサイドには、カバーがない。そのため重量は少し軽く145kg。XR RS同様にシートとペダルの位置は調整可能で、燃料タンクは10L。
公式サイト: http://www.birelartrental.com/projects/n-35-gt/
N-35 XR ST

N-35 XR ST (C) BirelART
リアの可動部分を保護するカバー以外は、装着されていない軽量モデル。重量は140kgと軽量なため、レーシングカートに近い操作感を楽しめる。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/n-35-xr-st/
N-35 X

N-35X (C) BirelART
さらに軽量の135kg。リアエンドの可動部分を保護する最低限のカバーのみ。シート位置は調整できない固定タイプ。ペダルは調整可能。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/n-35-x/
N-35 Twin

N-35 Twin (C) BirelART
N-35 XR STをベースにした二人乗りのカート。面白いことに、イタリア製なのに右ハンドル。ロールバー、シートベルトと、パッセンジャー用のフットレストが装備されている。ステアリング位置は調整可能だが、シート位置は固定になる。重量は160kgだが、燃料タンクは5Lしかない。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/n35twin/
姉妹ラインナップ
N-32 J4T

N-32 J4T (C) BirelART
主に身長1m~1m70cmまでの子供用のモデルで総重量は105kg。 調整可能なシートやペダルステアリングを備えて、可動部分を保護するリアカバーつき。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/n-32-j4t/
B-25 RT

B-25 RT (C) BirelART
25㎜径のパイプでできていて、ほぼレーシングカートに近いモデル。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/b25rt/
N-35 E-Kart

N-35 E-Kart (C) BirelART
N-35 XR GTをベースし、Zero Motorcycles とBe Karting社と共同開発した、電気カートモデル。
FXS 75-5モーターであれば、57Nmのトルク、27馬力(20 kW)をたたき出します。80%充電状態で、約1時間20分走行できます。102Vで21kgのリチウムイオンバッテリが搭載されているが、1分未満で交換できる優れもの。
スマホアプリZero MotorcyclesアプリとBluetoothで連動可能で、充電残量などを通知可能。重量は165kg。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/e-kart/
N-32 J E-Kart

N-32 J E-Kart (C) BirelART
N-35 E-Kartをベースにしたステアリング位置が調整可能な身長1m-1m70cmまでの子供用モデル。重量は125kg。
公式サイト:http://www.birelartrental.com/projects/n-32-j-ekart/
N35日本一決定戦
ビレルN35というレンタルカートを扱っている日本全国のカートコースの選抜チームが参加して日本一を競う大会。
日本トップクラスのレンタルカートドライバーが集まる、N35乗りならいつかは出場したい大会です。
http://www.birel.jp/category/news/coc/