こんにちは。レーシングドライバーの山口礼です。
今回はゴーカートのペダルワークの基礎について学んでいきましょう。
初めて走るサーキットに行った時に「アクセル」と「ブレーキ」のそれぞれのペダルを、どの時点で踏み込めば良いのかというのは、ライン取りと同じくらい迷うポイントです。
ゴーカート初心者の方が最初に感じることの1つもこのペダルワークのことかもしれませんね。
このゴーカートのペダルワークは、ライン取りと同じくらい走りを決める重要な要素のうちの1つなので、そのセオリーをしっかりと理解しておくとよりスムーズに走ることが出来て、タイムアップにも繋がります。
ポイント①:アクセル以外は基本ムダ
サーキットを速く走る上で基本となるのは、「とにかくアクセル全開でいられる時間を長くする」事です。
ライン取りの記事でも触れましたが、サーキットの構造はその大半がストレート(アクセル全開区間)で構成されています。
アクセル全開時間を少しでも長くすることがタイムアップのための基本であり、(原則あり得ませんが)1周をずっとアクセル全開で走ることがもしできれば、それが理想的ということになります。

出典:http://az-yamanashi.net/circuit.html
しかし、ゴーカートのサーキットにはコーナーが多数存在するので、その中の幾つかのコーナーの手前ではブレーキを踏まなくてはいけない、ということになるわけです。
そのブレーキをいかに短時間で終わらせていち早くアクセルに足を乗せ、スムーズに加速していくかを考えていけば、自ずとそれぞれのタイミングが分かってくる、ということですね。
ポイント②:ブレーキを踏むのはコーナー手前の直線で
ではまずはゴーカートのブレーキングの基本に移りましょう。
ブレーキの基本は
・短時間で
・まっすぐ
行うことです。
ブレーキは短時間で!
短時間で行いたい理由は、そこまでの直線区間で出したトップスピードをなるべく長い時間保ちたいからです。言い換えると、コーナー直前ギリギリまでアクセルを全開にしていたいから、ということにります。
まっすぐの状態でブレーキをする!
真っ直ぐブレーキングを行う理由は、タイヤの縦方向のグリップを最大限に活かすためと考えてください。
ハンドルを切った状態=横方向にGのかかった状態では、マシンの最大限のブレーキング能力を発揮することが難しくなります。
また、真っ直ぐの状態からブレーキングすることで、その後のコーナリングへのアクションがスムーズにしやすいというメリットもあります。
ただし、どうしてもコーナリング中にブレーキングをしなくてはいけないコーナーもありますので、この原則が当てはまらない場合もありますので、その時はなるべくゴーカートを真っ直ぐな状態にできるライン取りを工夫する必要があります。
ポイント③:アクセルはクリッピングポイントから
これも、基礎的な原則だと考えてください。今後、上級者向けのテクニックの中にはその限りではない技術も出てきますので、まずはこれが基礎であると捉える必要があります。
コーナリングの流れというのは、
ブレーキング(A)→コーナリング(B)→加速(C)
という流れで行われます。
最後のフェーズである加速をクリッピングポイントから行うというのがゴーカートの走りの基本です。クリッピングポイントから加速していくためには、アクセルペダルに足が乗るタイミングをそのほんの少し手前になると考えると良いかと思います。
大切なのは、一度アクセルを踏み込み始めたらそのペダルが戻ることが無いように意識をすることです。
もし、踏み始めたアクセルを一度戻す必要があった場合には、アクセルを踏み始めるタイミングが早すぎたか、ゴーカートの向きがまだ変わっていなかったかのいずれかの理由が考えられます。
ポイント④:全てを逆算してポイントを導き出す
ここまでのポイントが理解できたら、これら全てを逆算して考えるクセをつけましょう。
これまでのポイントの中で基本的に一番優先順位が高い要素は、アクセルです。これはコーナリングの最後の段階でした。ということはペダルという観点で見ると、次の順番でそれぞれの操作を行う位置を決めていく必要があります。
①アクセルの全開位置を決める
②アクセルの開始位置を決める
③ブレーキの終了位置を決める
④ブレーキの開始位置を決める
この順番でそれぞれの操作をする位置決めを行い、そこにライン取りの要素を融合させます。
そして、タイムアップするためにそれぞれの操作の効率化を図るためにブレーキングをなるべく短時間で行う工夫をし、ブレーキ終了からアクセル開始までの時間を少しでも短くする工夫を行っていけばタイムが自然と上がってくるはずです。
これらの考え方をベースにして、コース図を用意してライン取りとペダルの操作位置を記入してイメージを作り、実際に走行をしてみましょう。
そして走行後にもう一度紙の上でライン取り、ペダルの操作位置を見直す・・・これを繰り返していけば、その精度をどんどん上げていけるはずですので、是非トライしてみてください!
ゴーカートの基礎テクニックvol.2〜複合コーナーのライン取り〜