テクニック

基礎テクニックvol.1〜初心者は必見!上級者にとっても大事なライン取り!〜

今回のテーマは走りの基礎「ライン取り」についてです。

 

ゴーカートに乗り始めたばかりの人は、走る上でまず「コースのどこを走ればいいの?」「そもそもライン取りってなに?」というのが、最初のテーマになりますし、ある程度ゴーカートに乗り慣れた人にとっても初めて走るコースに行った時にまず悩みの種になるのが、この「ライン取り」なのではないでしょうか?

 

今回は、そのライン取りについての基本的な考え方を解説していきます。

 

アウト・イン・アウトとは

この言葉はほとんどの方が聞いたことがあると思います。改めて、どのような考え方なのか解説します。

 

サーキットを走る上で、コーナーを速く(早く)脱出するためには、基本的に2つの要素を考慮する必要があります。それは・・・

 

①コーナリングスピードをなるべく上げる 

 

②できるだけ近道をする 

 

この2つです。

 

①の「コーナリングスピードをなるべく上げる」ためには、コーナーで描く弧の半径をなるべく大きくする必要があります。

 

②の「なるべく近道をする」ためには、なるべくコーナーのイン側を走る必要があります。

 

この2つの要素を組み合わせた場合に、理想的な走行ラインとはどんな形になるだろうか?と考えながら、下の図を見てみてください。

 

ヘアピンカーブのライン取り

 

この絵には、3本のラインが描いてあります。

 

まず一番内側にある青色のライン。これは描いている弧の半径がそもそも小さいので、そもそもスピードを上げにくいことがわかります。

 

そして、赤の2つのラインは半径が同じなので出せるスピードは変わりませんが、内側の赤いラインの方が近道をしています。

 

ということで、この赤の真中の線が、2つの要素を満たしているので、一番お得、ということが理解できますよね?

 

コーナー入り口は「アウト」から入り、コーナーの中間地点で「イン」に付き、コーナーの出口は「アウト」側にはらむ。これを行うことで、コーナリングスピードを最大限に上げて、尚且つ近道をする。

 

ちなみに、この「インにつく」地点の事をクリッピングポイトと呼ぶので覚えておいて下さいね。

 

これが「アウト・イン・アウト」の考え方の基礎です。アウト・イン・アウトの考え方が理解できたら、次のステップに移りましょう。

 

ストレート7割、コーナー3割

サーキットというのは、コーナーとストレートが組み合わさって構成されています。それぞれの長さの割合は平均的にみて、コーナーが30%、ストレートが70%くらいです。

AZ山梨サーキットのレイアウト

出典:http://az-yamanashi.net/circuit.html

「ストレート」→「コーナー」→「ストレート」→「コーナー」・・・

この連続で構成されているのがサーキットであり、そのコーナーとストレートをいかに速く走るかで一周のタイムが決まります。

 

先ほどのアウト・イン・アウトの話の中で、コーナーを速く走るための考え方を学びましたが、実はそのコーナーというのはサーキットの30%に過ぎません。ということは、残りの70%を占めるストレート区間の事を考慮せずには、タイムアップを望めない・・・ということが理解出るはずです。

 

ストレートのことを考えてコーナーを走る

AZ山梨サーキットのコースレイアウト

出典:http://az-yamanashi.net/circuit.html

上のコース図を見ると分かるように、ストレートはコーナーの直後に存在します。ということは、コーナーを走る時には「コーナーのことだけ」を考えるのではなく、その後に続くストレートの事を考慮した走り方が求められる、というわけです。

 

ということは、単純に「アウト・イン・アウト」をするだけでは、理想的なコーナリングとは言えない、ということになってしまいます。

 

なぜなら、アウト・イン・アウトするだけでは最速のコーナリングができても、その後に続くストレートにとっては、必ずしも理想的なコーナリング方法とは言い切れない場合があるからです。

 

ではまず、ストレートを速く走るにはどうしたらいいのでしょうか?

 

それは「アクセルをなるべく早いタイミングで、たくさん踏む」ことです。言い方を変えると、「なるべく早いタイミングでアクセルを全開にする」事が求められます。それらを考慮しながら、下の図を見てみましょう。

クリッピングポイント中央と奥の比較

基本的なアウト・イン・アウトのライン取りと、クリッピングポイントを先にズラしたライン取りの違いがわかると思います。このふたつを見比べた時に、どちらのコーナリングの方がその後のストレートが速く走れるでしょうか・・・?

 

正解は、クリッピングポイントを先にズラしたライン取りです。

 

その理由は、クリッピングポイントを先にズラしたライン取りの方がコーナー後半の弧の半径が大きくなることにより、より手前からアクセルを踏み込みやすくなるので、コーナリング後半から、その後に続くストレートに向けてスピードを乗せやすくなるからです。

 

確かにコーナリング前半部分の弧の半径が小さくなる分、コーナー序盤のコーナリングスピードは落ちてしまいますが、その分、その後に続くストレートが長ければ長いほどこの走り方の方がお得、という事が理解できますよね。

 

なので、ライン取りを考える時には、「コーナー」と「その後に続くストレート」の2つの要素を考えて、ライン取りを決定する必要がある、というわけです。

 

コーナーリングスピードとコーナーの脱出スピードが大事

いかがだったでしょうか?今回はゴーカートのライン取りの基礎について学びました。

 

「いかにコーナリングのスピードを上げるか」

 

そして

 

「コーナーの先に続くストレートをいかに速く走るか」

 

が今回のテーマでしたが、この2つを突き詰めていくだけでサーキットのライン取りの70%くらいは頭の中で組み立てることが可能なはずです。今まで意識していなかった人は、ライン取りを意識して走ってみましょう!

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Rei Yamaguchi

カート初走行の翌年には全日本選手権に出場し、ファステストラップを記録した実績を持つドライバー。 デビューが遅かった分、感覚よりも考えて走るスタイルの持ち主で、イギリス仕込みのドライビング理論を武器に、インストラクターとしても多方面で活躍中。

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