こんにちは!Go!KART!編集部のクボタです。
先日の記事でスリップ率について書かれていましたが、ちょっと難しいお話なので解説したいと思います。
スリップ率に書かれていた記事はこちら。「目指すのは人力ABSブレーキングシステム!」この記事はGo!KART!が主催している、Go!KART!スクールに参加している、なかこうじさんが書いてくれました。
強いブレーキで、でもロックはしないギリギリの強さのブレーキをするというのが課題のなかこうじさん、速くなりたくて色々しらべる中でスリップ率という言葉を発見したようですね。
スリップ率という言葉は、ゴーカートをやっている中では、滅多に聞かない言葉ですので、今日はかなりマニアックな話しになることをご了承ください。笑
スリップ率って何?
Googleで「スリップ率」と検索すると、グラフや計算式などで詳しく説明してくれているページがたくさんありますが、ややこしくなるので、シンプルに説明しましょう。
スリップ率とは、タイヤの回転数と、実際に自動車やゴーカートが前に進んでいる距離に関係する割合です。
スリップするという言葉は聞いたことがありますよね?
スリップ率100%は完全にスリップしている状態、スリップ率0%はまったくスリップしていない状況ということです。
スリップ率100%=タイヤは回転していない状況!
スリップ率100%というのは、ゴーカートは前に進んでいるけど、タイヤは一切回転していない状況です。
具体的にどのような場面で起きるかと言うと、ストレートをアクセル全開で走っていて、そこでブレーキペダルを蹴りとばすような強さで思いっきりブレーキを踏んだとします。
そうすると、タイヤは完全にロックして、回転数が0(ゼロ)になりますよね。でも、ゴーカートは勢いがあまっているので前に進んでいきます。この状況がスリップ率100%ということです。
※基本的にゴーカートのブレーキは後ろタイヤにのみ装着されているので、タイヤの回転数がゼロになるのは後ろタイヤのみです。
スリップ率0%=タイヤが回転した分だけゴーカートも進んでいる状況。
分かりやすくするために、前提条件としてタイヤ1回転で1メートル進むことの出来るタイヤを装着しているゴーカートがあったとします。
そのゴーカートがまったくスリップしていない状況で走行した場合には、タイヤ1回転で、ゴーカートは1メートル進むことになりますよね。要はタイヤが回転した分と同じだけゴーカートが進んでいる状況、これはスリップ率0%ということになります。
では、同じように1回転で1メートル進むタイヤを装着したゴーカートが、スリップ率50%の状況では、タイヤ1回転でゴーカートは何メートル前に進むでしょうか?
分かりましたか?
答えは、スリップ率50%であれば、進む距離は0.5メートルですね。スリップ率10%の場合は0.9メートル進み、スリップ率90%の場合は0.1メートル進むということになります。
なんとなくイメージ掴めたでしょうか?
ブレーキがもっとも効くスリップ率は20%!
今まで何回もゴーカートに乗っている方はイメージが出来ると思いますが、ブレーキを強く踏めば踏むほど、タイヤはロックしやすくなりますよね。
※タイヤロック=ブレーキが強すぎてタイヤの回転がゼロになること。
逆に優しく踏んであげればタイヤがロックすることはありません。
では、ブレーキをかけた時にとにかく短い距離でスピードを減速させるにはどんなブレーキングが良いのでしょうか?
そのひとつの答えが、スリップ率20%になるブレーキングということです。
なぜ20%なのかという理由を説明すると物理的な話しになり、学校の授業のようになるので割愛しますが、短い距離で効率的に減速するには、ブレーキを踏む強さは弱すぎても強すぎてもダメだ!ということです。
減速をカラダで感じろ!
ここまでかなりマニアックな話しをしてきましたが、最後にまとめとしてお伝えしたい一番大事なことは、走行中はスリップ率どうこうなんて全く意識せずに、とにかく減速をカラダで感じる事を意識して走るのが大事だ!ということです。
今までの解説はなんだったんだ、、、というようなまとめでごめんなさい。実際のところ、走っている中でスリップ率が何パーセントなのか?なんて絶対に分かりません。
それよりも大事なことは、走行する1周1周のなかでブレーキを踏み込んだ際に、しっかりと減速出来ているのか?さっきのブレーキングより上手く減速することが出来たのか?それをカラダで感じ取り、自分の中でトライアンドエラーを繰り返し、ブレーキングを極めていってください。
ブレーキを制するものはレースを制す!と言われる程、ブレーキは走る上で重要なポイントになります。
Go!KART!スクールに参加している方も、ほとんどの方がブレーキングの踏み方を指導されています。
スリップ率の話しは、ゴーカート談義する際のネタとしてとどめておき、実際にはたくさん走ってカラダで感じて極めて行きましょう!