11月26日(土)、アマチュアカーターの日本一決定戦であるRed Bull Kart Fightの最後の一戦、Japan Finalが東京お台場にある、BMW GROUP Tokyo Bay内に作られた特設サーキットにて開催された。
予想通りの大混戦となった予選。さらにバトルが激化するであろう決勝を制したのは…?
ファイナル直前にビッグサプライズ!
気持ちのよい晴天のもと、完全なドライコンディションで行われたセミファイナル。
もちろん、そのままドライコンディションで熱いバトルが始まるのだろうと誰も疑いもしていなかったが、なんとファイナルレースのスタート直前に1コーナー付近を見ると、驚く光景が!
ご覧の通り、なんとコース場に水が撒かれている!
今回の会場となったBMW GROUP Tokyo Bayのドライビングエリアでは、普段は試乗やドライビングトレーニングが行われる場所のため、スプリンクラーを使用してウェット路面に意図的にすることが出来る。これを利用して、路面をウェットにしてしまったのだ。
この理由は、セミファイナルでのレースの展開が激しかったため、ファイナルではさらに激しくなり、危険を伴う可能性も考えられたため、万が一接触しても、スピードが下がっている分大きなクラッシュには発展しづらくなるだろうという意図があったようだ。
ただ、誰も予想もしなかった出来事に、参加するドライバーはもちろん観客達も驚いていた。
空は青空だが、路面はウェットという珍しい光景になった。もちろん、全ドライバーが初のウェットコンディション。そして本日限りの特設サーキット。
この未知なる条件下で、どう対応するか、まさにドライバーの技量が試される環境となり、ある意味、日本一を決定するには最高の舞台となった。
ファイナルはローリングスタート!
いよいよファイナルがスタート。
セミファイナルのスタートはスタンディングスタートで行われたが、決勝についてはローリングスタート形式となる。
ローリングのたった1周で、路面状況の濡れ具合や乾いている路面を探したり、おそらく全ドライバーが相当集中してローリングを行っていただろう。
そして、1周のローリングから隊列が整って、ファイナルがスタート!
オープニングラップは大きなクラッシュもなく、中村洋司、久保誠、井上雅貴の順で通過。
ここからは随所でバトルが展開される状況に。
トップ集団は中村、久保、井上の3名に加えて、川福健太、板鼻拓実、清水跳馬の6名がひとかたまりに。
そこから大きく離れて、7位以下も集団となる展開に。
そして、2周目。早速2位の久保誠が勝負に!
1位を走る中村のインに久保が飛び込み一発でパッシングに成功!
続く連続ヘアピンで井上も中村のインに飛び込み中村をパス!
井上が中村をパスする間に、久保は約1秒のリードを築く事に成功。
井上もそれを必至で追いかけるが、その差はずっとこう着状態に。
その後は、久保と井上は単独走行で1位と2位をキープ。
後方では、3位争いが激化!
レースは、1位と2位の状況は最後まで変わらず、久保誠が2度目のレッドブルカートファイト制覇!
第2位は井上雅貴、そして激しい3位争いを制したのは川福健太となった。
決勝では優勝争いには絡めなかったものの、昨年の覇者である金沢太景は40.392秒でファステストラップを記録!
トップ3のベストラップは40.8秒台だったことを考えると、かなり速いタイムであった。
上位3名の表彰!アフターパーティー!
アフターパーティーでは、オープニングムービーから始まり、1万人のなかから戦い抜いた上位3名が表彰された。
表彰式の後は、食事とともに歓談時間が設けられ、日本全国から集まったファイナリスト達、応援に集まった方々、その他の関係者たちがカート談義を楽しんでいた。
今大会は、アマチュアカーターの日本一を決める戦いということで、日本全国から集まって行われた。もちろん緊張しているドライバーもいたが、各ドライバーが本当に楽しそうにしていた。そして、ドライバー同士が仲が良い。ただ、スポーツである以上、レースが始まれば、本気の激しい戦いが行われる。
ここに集まった方々はプロではなく、あくまでも趣味としてカートをやっている。でもやるからには本気!
楽しく!でも本気で!という、ある意味バランスの取れた取り組み方がとても印象的だった。
優勝した久保が表彰式のインタビューで「地元の広島でもカート業界をもっと盛り上げて行けるように貢献したい!」と話していたが、カート業界に携わる全ての関係者が、このカートの楽しさを広く伝えられて行けたらと思う。