こんにちは、CP64Racingの清野です。
「手動デフ構造=インリフトで曲がる!(前編)」では、マシンの構造をより深く理解することで、ブレーキングによる作用をさらに知ることができました。そんなことを踏まえて3回目の講習内容を後編でご紹介したいと思います。場所はもちろんシティカートです。
マシンや天候に合わせて踏み込みを調整する!
今回で3回目となる私の講習は今までと変わらず「きっかけのためのブレーキング」です。シティカートの場合は、とにかく第1コーナーです。ホームストレートの時速約50kmから一気にブレーキして右コーナリングします。ここさえうまく曲がれるようになれば、後は応用であらゆるコーナリングが上達します。
ただ、今までと今回で大きく異なる点がございまして...今回は、①走行直前に小雨が降ったりやんだりしていた、②気温が今までの30度以上ではなく27度くらいだった、という2点から、感覚がまるで違っていたのです。
何の感覚が異なるのか――もちろん、それはグリップです。
当然の話なのですが、今までの講習時は暑すぎてベタベタなグリップだったのに対し、今回はサラッサラのグリップ。今までの初期踏力ではすぐにタイヤがロック(≒スリップ)してしまい、緩くブレーキを踏むようにした結果、そもそもの強いブレーキングが出来ず...結果的に1回目の走行を無駄にしてしまいました。
ただ、ここでブレーキングに関する私の勘違いがあることが分かりました。私は、単純に初期踏力を弱くしただけで、結果的にポンピングブレーキみたいになってしまいました。それじゃあ前荷重は得られませんよね...。グリップが良くなかったために↓こういう現象を作ってしまっていたのです。
つまり、簡単にいえば以下のブレーキングにおいて間違っていたわけです。
〇:グリップしないのであれば、初期踏力後の弛め方で調整する
この応用力の無さは、ブレーキングにおける本質を身体が理解していない証拠。今一度意識することを身体に徹底しようと思いました。
初期踏力とハンドル、クリップを意識!
というわけで、今さらながらおさらいです。
- 初期踏力を強くし(グリップ状況に合わせて)その後の弛め方を調整する
- ハンドルは前荷重時のタイミングで切る
- クリッピング時の車体角度を意識する
ブレーキペダルとハンドルに意識しすぎると、クリッピング時の車体角度を忘れがちになってしまいますので、この意識も要注意です。
ちょっとできたかも!?
さて、そんなこんな走行を繰り返していると、ようやく何度か「おっ♪これ良いんじゃね?」的な感覚を掴み出しはじめました。手動デフ構造(=インリフト)を身体で感じられたのです!
それは、初期踏力は足の感覚に任せることで脳から除外し、ハンドルを切るタイミングに関してのみ脳で考える、そして目はクリップに向ける、という3つの役割を意識として分担させてみたのです(笑)。
結果、頭の中で“ハンドルを切るタイミングを見極める忍耐力=ハンドルを切るのを我慢する”ということだけが残りました。初期踏力の足感覚は反復練習でいい加減身についただろうと...(笑)。ここにきて、まさかの初期踏力放置(笑)。
結局、私にとって必要な意識は“ハンドルの我慢”だったのです。
ただ、足感覚に任せた初期踏力はまだちょっと甘い気がしています。事実コーチからも「まだ強く踏めるはず」と言われました。
偶発的成功ではなく、必然的成功にするために
今までの計3回の講習の中で、散々紆余曲折してきましたが、ようやく本質的に見えてきました。
そして私にとって“きっかけのためのブレーキ”に対する意識順序は
② 初期踏力の強さでしっかり前荷重を作ること!
のアプローチだったようです。
あとは、もう一度あらためて初期踏力を強化し、そして初期踏力後の踏力調整を見直すようにすれば、今まで「たまたま成功した」ことも「しっかり成功させた」ようになるかもしれません。
まだまだ道のりは長いです。とにかく今はこの“きっかけのためのブレーキ”を身体で掴みきり、次にコーナーアウト時の加速力を気にすることで、より精度と速度を上げていけるようにしたいと思います。
次回はいよいよ全5回の講習中4回目。いよいよ終盤ですので、しっかりと丁寧に挑んでいきます!
ではでは~(^o^)/